日本靴医学会

靴選びについて

【靴選び】

外反母趾とハンマー趾で、とてもつらい毎日です。いま、就職活動のために、どうしてもパンプスを履かなくてはなりませんが、長時間歩くのが苦痛でしかたがありません。以前から、外反母趾気味なのですが、最近ひどくなってきた気がします。(大学生 女性 21歳)

靴の選択が間違っています。大半の女性が小さすぎる靴をちょうど良いと信じています。ハンマー趾は小さすぎる靴の証拠です。高価な靴を買う必要はありませんが、時間をかけて、実際に履いて買いましょう。まず、靴の長さは踵に小指が入る程度、靴先で趾が自由に動くこと、靴の先端が内側に寄っていること、趾のつけ根の所で靴の幅がきつくないこと、ストッキングをはいても足が前に滑らないヒールの高さがポイントです。ファッションは無視して楽に歩ける靴を一足用意しましょう。通勤はスニカーで、営業は歩きよいパンプスで、アフター・ファイブはおしゃれなハイヒールを我慢して(?)、TPOで行きましょう。

【立ち仕事】

立ち仕事をはじめてから、親指の付け根が出っ張りだし、痛みがあります。仕事上、ヒールのある靴をはかないわけには行かず、悩んでいます。また、小指が横に曲がってしまいました。根本的な治療はあるのでしょうか。また合う靴の見つけ方もわかりません。(デパート販売員 女性 21歳)

外反母趾と内反小趾です。どうしても3cm以上のハイヒールが必要なら、踵の部分が水平で、足が前に滑らない靴を探しましょう。靴選びは、【靴選び】を参考にして下さい。どうしてもと言うとき以外、ハイヒールは止めましょう。

【立ち仕事_2】

毎日一日中たっている仕事を一年やっています。最近、とくに足の裏が痛くなってきました。痛い所は、外反母趾になっている親指の付け根とそのとなりの指の付け根です。そこは、もうまめのように固くなっているのですが、痛さで走ることができません。医者に行きたいのですが、どこに行けばいいのかわかりません。(サービス業 女性27歳)

既に横アーチが破綻して、親指が体重を支えきれなくなっています。整形外科に行って、中足パッド付きのアーチサポートを作ってもらい、十分深めの1サイズ大きめの靴に入れて使用して下さい。

【ハイヒール】

ホテルのアルバイトで、ヒールの高い靴をはきつづけていたら右足の親指の付け根が、痛くなってしまいました。歩く時に、親指の付け根の骨が靴底にあたる感じで、見た目にも、右足の親指の骨がとび出ています。

ハイヒールは外反母趾の一番の原因です。特に、足が滑ってつま先や親ゆびの内側が靴に圧迫されるのが、一番いけません。せめて、踵の面が水平で、足が先に滑らない高さにしましょう。

【外反母趾と靴】

親指が内側に入ってきてくの字型になっています。左のほうがひどい。
普通は痛み等はありませんが、靴を選ばないと親指の付け根が痛くて歩きにくい。指の付け根(手で言うと人差し指)が硬くなっています。
これ以上、ひどくなりたくないので治療したいと考えています。(会社員 女性 33歳)

外反母趾の治療は第一がハイヒールやきつい靴を避け足にあった靴を履くことです。第二、第三が無くて、第四、第五が運動療法と装具です。手術は最後と考えましょう。と言っても、外反母趾は一定の程度を越えるとハイヒールを履かなくても進行しますので、余りひどかったり、20歳前から変形があったり、お母さんが外反母趾の人は、専門家に手術を相談して下さい。

【左右で足のサイズが違う】

18歳ぐらいから靴が足にフィットしなく違和感があるように感じるようになりました。その頃は靴がいけないのかなとさほど気にしていなかったのですが、そのころからどの靴を履いても足にあわなくなりました。しかし左足は全然平気なのですが右足だけ靴とフィットしません。両足とも偏平足と外反母趾です。右足の方が外反母趾がひどいです。(学生 男性22歳)

左右の足の長さが0.5cm以上違う人は10人に1人と決して少なくありません。同様に幅も違います。インターネットで左右のサイズが異なる靴を売るという話もあります。右足が左足より大きいのに右足に靴を合わせている可能性があります。【男性の外反母趾】も参照してください。

【たこの出来る場所と靴】

外反母趾に悩んでます。特に、左の親指が曲がっています。足の裏にもたこができていて、皮膚が硬くなっているところもあります。そして、指にもたこができています。右足は、親指以外にできています。なんとか改善したいので、お願いします。(主婦26歳)

胼胝の出来やすいのは、母趾の付け根の関節(MTP関節)の内側、趾先、趾の第2関節(PIP関節)の背側、MTP関節の足底側、小趾の外側です。母趾の内側、小趾の外側は幅の狭すぎる靴と外反母趾、内反小趾が原因、趾先とPIP関節背側は長さの足りない小さな靴と槌趾が原因、MTP関節裏側は横アーチが破綻した開張足が原因です。靴選びの欄を参考にして、まずは靴を改善してみましょう。

【革はのびるので小さめの靴】

履いているうちに革が柔らかくなりのびると言われ少しきつめの靴を買っていますが
新しい靴を買うといつも靴擦れが出来たり痛くなったりして長いこと歩けません。そして履きなれた頃には履きつぶしてしまって、また買い換えることをくり返しています。なにかよい方法はありませんか?

靴を買うときにまずデザインやサイズで靴を選んでしまいがちです。靴は履けば痛いものと錯覚している女性が多いのではないでしょうか。足は顔や体型と同じで、ひとりひとり違うのです。そのなかで足にピッタリの靴を探し出すことが大切です。

【スリップオンタイプの靴】

スリップオンタイプの脱ぎ履きの簡単な靴がとても便利ですが足には良くないのですか?

住まいの中では靴を脱いでしまう日本では脱ぎ履きが簡単にできることがたいせつで、ひも靴をはくことを面倒に思う傾向にあります。履いている間の履き心地を優先すべきです。

【TPOで靴を履き分ける】

勤めに出ているわけではないのでお出かけ用の靴一足と他は突っかけサンダルしかもっていません。TPOではき分けると良いと聞いたのですがどのような靴を買ったら良いでしょうか?

パンプスは礼装用の靴です。しかし普段町でヒールの高い低いにかかわらず靴底の薄いカカト周りのゆるいつま先の細くなったパンプスをはいてパカパカと脱げそうになりながら歩いている人を良く見かけます。靴は何にでも合う靴を一足持っていればよいと靴を履くときはその一足ですませていませんか?少なくとも普段歩くための靴と礼装用の靴は履き分けましょう。

【履きやすい靴】

履きやすい靴がいい靴と思って足入れのいい靴を選んでいますが長いこと歩くととても疲れます。

履きやすい靴というのは歩きやすい靴とは限りません。足が入れやすく簡単にはける靴は脱げ易い靴であることが多いのです。このような靴で歩くとつま先で靴を引っ掛けて余分な力をいれて歩くためにとても疲れます。

【軽い靴】

軽い靴が疲れないと思い履いていますが長く歩くと足がいたくなります。どうしてなのでしょうか?

全体重がかかりコンクリートからの衝撃から足を守る役目もありますので重さだけの問題ではありません。

【ひもの靴】

ひもの靴を履いているのですが日によって甲の部分がきつい感じがします。どうしたらよいのでしょう?

紐靴を履いていても、着脱のたびにひもを締め直ししている方はホントに少数なのではないでしょうか?紐靴だからと安心していませんか?足のサイズは1日のうちでも変わります。紐靴は毎回ひもを結びなおすのが基本です。

【どんな靴をはいても足が痛い】

どんな靴をはいても必ず足が痛くなる。どうしてでしょうか?

これは通常履いている靴が本来はくべきサイズでなく間違ったサイズで履いている場合が少なくない。それは、靴を選ぶ際にウィズにあわせてしまうことが原因と思われる。
A)甲高や幅広の方は(ウィズが大きい)は大きいサイズを選んでしまう。
B)甲の低い方や幅の狭い方は(ウィズが小さい)は小さい靴を選びがちです。
このような場合指先が圧迫され指や爪の障害を起こす原因になる。シューフィッターのいる靴屋さんで足のサイズを実際に測ってもらうとよい。若い女性の中には足が薄くて幅が狭く踵から指先までの長さがある人がふえてきた。女性用の靴ではサイズがなく幅広の靴で間に合わせていることも多い。その場合、男性用のスニーカーを履こうとすると、ひもをこれ以上締められないほど目いっぱいにしめても、まだ足の甲の部分がゆるくて、これも合わない。

【幅広の大きめの靴】

細い靴をはいているから足が痛くなると思い幅の広い大きめの靴に替えたのですが指が痛いのは変わりません。どうしたら良いのですか?

幅広の靴が万能ではありません。窮屈で痛い思いをして履く靴は論外ですがゆるめの靴は靴の中で足が前にすべってしまいかえってつま先が当たる場合があります。大事なのは足の形に合っていてつま先にゆとりがあり足が靴の中で前後に動いたりしないこと。できたら紐やベルクロ(マジックテープ)などで足の甲がきちんと止められるものが望ましい。足まわりが大きくあいているパンプスなどは足を支える部分が少ないので足が前に滑りやすくなりますので長く歩くときは履かない方が賢明です。

【幅広の靴に替えたのですが】

細い靴をはいているから足が痛くなると思い幅広の靴にかえたのですが趾が痛いのは変わりませんどうしたらよいのでしょうか?

EE、3Eの表示があっても実際は幅広でない靴も多く売られています。また幅広でもつま先が細くなっていては意味がありません。貴女の足は本当に幅が広い足でしょうか。幅の狭い足の人にはあいません。外反母趾の人が探し選ぶ幅広の靴は足指の付け根の部分は広いが、つま先が細い靴のことが多い。これは足の幅を広げ、指を変形させてしまいます。大事なのは「つま先にゆとりのある靴」を選ぶことです。

【外反母趾用の靴】

外反母趾用の靴を通信販売のカタログでよく見かけます。本当に外反母趾の人に効くのでしょうか?

外反母趾対策の靴として市販されている靴は、EEEEなど足囲が広い靴です。外反母趾で骨が出っ張って当たる部分が柔らかいのびる素材でできている靴が売られています。こうした靴は母趾のMP関節(付け根)が当たらなくなるので、その部位の痛みは軽くなります。足との摩擦が少なくなるので痛くなく履けるのですが足の固定や安定性を得ることはできないので足の変形はどんどん進行してしまいます。そして足指が入るつま先が細くなっている靴が多く、中敷きも平坦なので外反母趾の基になっている開張足を矯正する効果もありません。単なる幅の広い靴に外反母趾対策と大げさな表示をしていることもあります。

【スニーカー】

外反母趾にはスニーカーが良いといわれて履いていますが痛みはかわりません。どうしたらよいのでしょうか?

パンプスでなければスニーカーという履き分けをしている人も多くなりましたがデザインやブランド重視で選ばれているケースがみうけられます。この場合も足の形状に合っているものを選んでください。

【試し履きの靴でサイズがわかれば】

試し履きの靴があり自分のサイズがどれに該当するか知ることができればと思いますが

ジャケットなど体型別にサイズがありますが靴にももっとサイズが豊富にあればと思います。衣類の場合はある程度余裕があってもかまわないと思いますが靴はピッタリしたものでないと歩けません。最近コンピューターグラッフィックの技術を応用して足を立体的に計測してどの木型の靴があうか検索する機械が試作され、靴のサイズの標準化の試みが始まっています。そうすれば靴のセミオーダー(イージーオーダー)やオーダーシューズがもう少し手軽な値段でできる様になること思います。